GPIFの資産運用構成比率の見直しについて
約120兆円の資産を運用するGPIF(Government Pension Investment Fund)
は日本の公的年金資産を運用する世界最大の年金基金ですが、その運用は債券などの
安全資産に隔たっており、過去10年間の運用利回りが年8%程度のカルフォルニア州
職員退職年金基金などと比べると、決して良い運用成績だとはいえません。
GPIFの資産は、昨年末の時点で55%が国内債券(そのほとんどが国債)で、日本株
の比率は約17%と低くなっています。
日本では今後、少子高齢化が進み、年金給付が増大し、年金資産が減少していくことが
確実視されていますが、その減少を食い止めるためには、ある程度のリスクをとって
資産を増やしていくことが必要です。
これまでのデフレ下では、現金保有によって、その価値が目減りすることはありません
でしたが、政府が政策インフレを目指している以上、インフレ上昇率以上の金利でなけれ
ば銀行に預けている現金の価値は下がってしまいます。
約1500兆円といわれる日本の個人金融資産も、その80%が現預金で保有されていると
いわれており、アメリカなどに比べると投資に向けられる割合が少ない状況です。
アベノミクスにより物価が上昇していく中で、私たち個人も、ある程度のリスクをとって
資産を増やしていくことが必要になってくるのではないでしょうか。
もちろんその時に、どのような金融商品を選択し、どのような割合で投資をしていくのか
が最も重要であることは言うまでもありません。
日本株なのか外国株なのか、国内の債券なのか海外の債券なのか、外貨や海外不動産なの
か、様々な投資対象の中から、リスクを分散しつつ、最適なものを選択していく必要がある
でしょう。
GPIFに関する記事
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140606/k10015015921000.html