投資とは損をすること?
NISA(少額投資非課税制度)が日本で始まって半年を過ぎましたが、口座を開設をしているのは50歳以上の方に隔たっているようです。
以前、知り合いのFPの方に聞いた話によると、学校で「投資ってなんですか?」と生徒達に聞いたら、「損をすること」という答えが帰ってきたそうです。
確かに今の若い世代は、バブル崩壊以降のことしか知らないため、右肩上がりの時代を経験したことがありません。私も大学生の時にちょうどバブルがはじけて、モノや不動産に対する見方が180度変わりました。(みんなが同じ商品をわざわざ百貨店に行って高い値段で買っていた時代でしたし、土地ころがしや株で大儲けした人たちがそこらじゅうにいる時代でした。)
20年以上インフレが進まず、日本のお金の価値が変わっていない現状では、若い人たちが投資に前向きにならないのも無理はないのかもしれません。
一方で、国全体で様々なものに投資をすることによって、この20年間で急激な成長を遂げてきたシンガポールでは、その間にお金の価値が何倍にも上がっています。いま15ドル(約1200円)で食べているラーメンはおそらく20年前は1ドル位だったのでしょう。この20年間で一人あたりのGDPは日本を大逆転してしまいました。(シンガポールでは土地が暴落するなんて誰も思っていないように感じます。)
投資をすることは、もちろん損することもありますが得することもあります。得をした経験のない人にいくら話をしてもなかなか理解するのは難しいのかもしれません。いま、50歳以上の方がNISAを積極的に活用しているのも、過去の成功体験があるからなのかもしれませんね。
少なくともここ数年間は、若い人達が投資することのメリットが理解できるような経済状況が続いて欲しいと願っています。