確定拠出年金のメリット。

平成27年度の税制改正大綱では、確定拠出年金にこれまで加入することが認められていなかった公務員や専業主婦の方などが加入できるようになる方針が盛り込まれました。
確定拠出年金制度は、これまでは主にサラリーマンや個人事業主の方などにしか認められていない制度でしたので、この制度が誰にでも利用できるようになることは、個人が資産運用をする上においては非常にインパクトのある改正になると思います。
これからの時代、将来に向けた準備をするためにも資産運用をすることが必須です。現金だけで資産を保有していてもインフレ経済下ではその価値が目減りしてしまうからです。つまりは、インフレ率の上昇に金利の上昇が追い付いていかないのです。ただし、資産運用をこれからはじめる方にとってはどのように資産運用を行えばよいのかがよくわからないと思います。そのような方々へは、今回の確定拠出年金制度の拡充は資産運用を行う上での「最強のツール」になると思っています。
確定拠出年金の最大のメリットは、「税制優遇」措置が手厚いことです。まず最初のメリットは、拠出した掛金全額が所得控除の対象になることです。たとえば、生命保険料控除では掛金の一部が所得控除の対象となっていますが、全額が控除されるということは、それだけ課税対象額が少なくなりますので節税効果が大きく、間接的な投資のリターンを得ることにつながります。(たとえば、月額2万3000円、年間27.6万円を掛金として拠出した場合、年収500万円のサラリーマンの場合には、所得税と住民税の税率が合わせて20%ですので、「27.6万円×20%=5万5200円」が戻ってくる計算になります。)
次のメリットとしては、分散投資が可能なことです。投資の基本は分散投資と言われています。分散とは、「時間」「通貨」「国」「商品」を分散することです。確定拠出年金は毎月積み立てを行う制度ですので、自動的に時間の分散をすることが可能です。それから確定拠出年金は自分自身で運用する金融商品を選ぶ必要がありますので、これから成長が見込まれる国や資産、金融商品を選ぶことで投資対象を分散することが可能です。
さらに、受取時にもメリットがあります。一時金で受け取った場合には退職所得控除が適用され、30年間加入した場合であれば1500万円までは課税がされません。また、年金形式で受け取る場合には、公的年金等控除を受けることができます。
以上のように、確定拠出年金制度は資産運用を行う上では、他の制度とは比較にならない程のメリットがあります。(ただし、運用資産は60歳まで引き出すことは出来ません。)
新たに加入できる予定の専業主婦は年間に27.6万円が拠出でき、公務員は年間14.4万円の掛金が拠出できる予定です。この制度へは、ネット証券等でも加入が可能ですので、個人の資産運用を後押しするツールになることが大いに期待できると感じています。

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